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【書評】ウォール街のモメンタムウォーカー たった3つのETFへ投資するだけで年率17.43%のリターンを得られる

書評
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なんとも胡散臭いタイトルです。

たった3つのETFへ投資だけで年率17.43%のリターンを得られるなんて、そんなフリーランチが存在するわけがない。

でも、あるんだな~。

それがグローバルエクエティーモメンタム、通称GEMと呼ばれる投資法です。

モメンタム投資って何?

本題に入る前に、本のタイトルにもなっているモメンタム投資についてお話しします。

ネットで検索すると色々と御高説を述べている記事に出くわしますが、要は個別株にしろ各国毎のオールストック(例S&P500)にしろ勢いというものがあって、だったらその勢い(波)に乗っちゃおうぜ、ということです。

波に乗ったアセットクラスは、行動経済学的観点からも一定の慣性力を保ったまま上昇します。逆を言えば、一旦悲観的になってしまえば、あれよあれよと言う間に下落してしまう現象を指します。

・・・ということらしいw

なんとも胡散臭いし、仮にそれが事実だったとしても、自分がその流れを読むことなんて出来ないよ!!と思うでしょ?

私もそう思います。

1章から7章までは読み飛ばしてもいい

で、そんな分かるような分からないような理屈を本書では、7章まで割いて延々と述べています。

2回読みましたが、全然理解出来ません。

ただ一つ言えることは、著者もその本質的な理由は解明出来ないけれど、過去212年間のモメンタム投資による成績を調べたら、とにかく上手くいっているんだ、ということです。

そのモメンタム投資にも相対モメンタム投資絶対モメンタム投資という2つの方法があって、それらのいいとこ取りをしたグローバルエクエティーモメンタム(GEM)が、はっきりとした理由は分からないがすごい成績を残しています。

いわゆるアノマリーというやつです。

一般の投資家にとって学術レベルの理論の正しさなんてどうでも良いので、要は「ぼくのかんがえたさいきょうのとうしほう」が実践出来ればいいんです。

その実践方法については、8章以降に書かれています。

GEMの運用方法

それでは、このGEMはどのように運用すればいいのかを説明します。

使うETFは次の3つだけ。

  • IVV【S&P500に連動するETF】
  • VEU【FTSEオール・ワールド非米国株に連動するETF】
  • AGG【バークレイズ米国総合インデックスに連動するETF】

この3つのETFについて、下のフローチャートにしたがって、月に一回直近12ヶ月の成績が良いETFに乗り換えるというものです。

毎月売買するの!?と思う人もいると思いますが、アセットの流れには一定の波がありますので、実際の売買は年に1.35回程度で済みます。

そして、興味深いのはこの方法でGEMを運用すると、株式と債券に投資している割合が7対3になるということです。

ちなみに、3ヶ月でも6ヶ月でもなく、なぜ直近12ヶ月の成績が良いのか、その理由は分かっていないそうですw

GEMの特徴

下図はGEM、相対モメンタム、絶対モメンタム、ACWI、ACWI(7割)+AGG(3割)の1974-2013年の比較表です。

GEMの年次リターンが他に比べると抜きん出ていることが分かりますが、それよりも特徴的なのは、最大ドローダウンがマイナス22.72%と非常に低いことです。

続いてチャートです。

ITバブル崩壊時の2000年と、リーマンショック時の2008年に着目すると、GEMが非常に安定していることがわかります。

以上のことから、GEMはブル相場においては上昇する株式相場と平行して資産が増え、ベア相場時に債券へ乗り換えることにより、大幅な下落を防いで資産をプロテクトする、という特徴があります。

しかし、注意したいのはGEMが常にベンチマークをアウトパフォームするわけではなく、特にベア相場からブル相場へ転換し、株価が力強く回復する期間においてはベンチマークに対してアンダーパフォームする点です。

これからもGEMのアノマリーは続くが、実践出来るかは別問題

人間の非合理的な行動、いわゆる行動経済学的観点から、これからもGEMのアノマリーは続くだろうと著者は予想しています。

私もそのように感じます。

多くの人はいまだにアクティブファンドや個別株投資、ETFの頻繁な売買により、市場平均をアンダーパフォームするような行動をしています。

そのような人々が急にGEMの投資法に目覚めて、そのアノマリーを打ち消すような変貌を遂げるとは考えにくいです。

一方で、このGEMという投資法を実践している人が、これからも10年、20年と毎月機械的にフローチャートに示す作業を淡々と繰り返し、いつか来るアンダーパフォームの時期も鉄の意志でその一貫とした姿勢を堅持できるのかは大いに疑問が残るところです。

やり遂げる自信があるのなら読んで損はしない

本書は難解でとっつきにくい部分もあります。また私の書評もかなり端折って説明していますので、GEMの投資についてより理解を深めたい方は本書を購入し何回か通読してください。

特に個別株のリスクを取らずに市場を大きくアウトパフォームするアルファリターンを得たい人にとって、本書はうってつけの存在と言えます。

やり遂げる自信があるのなら、読んで損はしないですよ。

Go For Broke!

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書評
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億り人を目指すサラリーマン日記 -Investment Strategy:US Stock×iDeCo-

コメント

  1. ブラック より:

    とても興味深い記事で、しばらく釘付けになってしまいました。
    投資経験がまだ浅いので、2点程お聞きしたいのですが、IVVとAGGの二つだけのETFの比較での運用では、やはりパフォーマンスにかなり影響が出るのでしょうか?
    もう一つは、もし、この投資方法をスタートする際は、直近一年でパフォーマンスが一番いいETFのみの購入からの運用スタートで大丈夫でしょうか?
    それとも、三つ購入スタートでしょうか?
    初心者の質問で申し訳ありませんが、御指南いただけると嬉しく思います。

    • colonel_pyon より:

      ブラック様

      ①IVVとAGGの2つだけの運用のシュミレーションは載っていませんでしたので、どのような結果になるのか分かりません。
      ②この投資方法をスタートするのであれば、直近一年で最もパフォーマンスが良いETFを購入することになります。今ならIVVですね。そして、一ヶ月後に直近一年のパフォーマンスを調べて、記事の表に掲げるフローチャートをチェックして乗り換える(もしくは現状維持)ということです。

      ただし、https://dividend-increase-ideco.com/%E3%83%A2%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%A0%E6%8A%95%E8%B3%87/gem-tax/
      の記事でも書きましたが、これはあくまでも非課税を前提としていることには注意を要します。

      また、本記事はあくまでも本を抜粋したものですから、運用に当たっては高額ですが本書を熟読することをオススメします。
      5千円ほどしますが、資産の運用額に比べれば大したことはないので、是非。