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【書評】インデックス投資は勝者のゲームー個別株・セクターETF戦略への幻想を打ち砕かれますー

本書は2007年に刊行された「マネーと常識」の改訂版です。

著者はかの有名なバンガード社の創立者であるジョン・C・ボーグル。

パラパラと本をめくった感じでは、字が大きくて内容が薄いのかな?と思いましたが、とんでもない。

自身の揺るぎない信念をバンガードで具現化させた偉大なる実業家が、平易に、そして説得力のある言葉で綴る文書には迫力があります。

で、肝心の内容です。

タイトルと帯びからその内容を容易に想像出来るわけですが、案の定そのとおりでしたw

本書の内容を一言で言うのなら「広範囲に分散された低コストのインデックスファンドを買い持ちしなさい」です。

んなこたぁ分かっとるわい、と思うわけでありますが、この単純な作業がいかに難しいか。

下手に投資の知識がつくと、アルファを求めてしまうのが人間の悲しい性であります。

そんな中途半端な投資家をこれでもか!これでもか!と上品な口調でこき下ろしてくれます。

本書はこれから投資をしよう、と考えている初心者ではなく、むしろある程度投資を経験して知恵もつけた人が原点を確認するための必読書です。

今後10年の米国市場は厳しいと予想

この改訂版で一番のポイントはジョン・C・ボーグル氏が、今後10年の米国市場についてかなり弱気の見通しを立てていることでしょう。

下図はボーグル氏が予想する今後10年の米国株のリターンです。

1974年以降、年率11.7%の投資リターンを得ていますが、向こう10年については4.0%という予測をしています。

その内訳については、企業の利益成長で4.0%、配当利回りで2.0%と株の本質的な利益を6.0%としていますが、PERの変化(投機的リターン)をマイナス2.0%としています。

また、債券についても同様の見方をしています。

債券の1974年以降のトータルリターンは8.0%。しかし、今後10年は3.1%とかなり弱気です。

つまり、株式と債券をミックスさせた伝統的なポートフォリオでは、大きなリターンを得る見込みはないだろうとボーグル氏は予測しています。

ETFはトレーダーのおもちゃ

本書でボーグル氏はアクティブファンドをこき下ろしているわけですが、それと同様にETFにも大変厳しい目を向けています。

今日ではETFは2,000本以上も設定されており、様々な戦略に基づく多様な商品が提供されています。

また、それらのETFはリアルタイムで売買することが可能ですが、ボーグル氏は「S&P500に連動するETFをリアルタイムで売買できることに何の意味があるのか?」と辛辣です。

いわゆるセクターETF戦略についても、人気のあるセクターファンドは直近でもっとも優れたパフォーマンスを上げたファンドである、として頻繁なETFの売買によるパフォーマンスの低下を指摘しています。

つまりアクティブファンドであろうがETFであろうが、やっていることはクソダサい投資だよ、と言っているわけです。

要するに、ETFはTIF(伝統的なインデックスファンド)をトレーダーのおもちゃに作り変えたものだ。賢明なる投資家には実績あるインデックス運用にとどまることを強く求めたい。伝統的なインデックス運用がこれまでに開発されたなかでもっとも優れた戦略であるとは確約できないが、インデックス運用よりももっとひどい戦略は数限りなく存在することは保証する。

シンプルな商品を買って後は気絶した方がマシ

冒頭でもお話ししましたが、要らん知識を付けてしまったがために損をしがちな投資家は、いっそのこと難しい投資手法は採用せず、S&P500に連動するETFや、VT、全世界インデックスファンドを買った後は気絶する、というのが最もリターンを上げる最良の方法なんでしょう。

それでもどうしても自分自身で投資をしていることを実感したい、ということであれば、例えばヘルスケアセクターETFに30%、生活必需品セクターETFに20%などと、方針を策定した上で投資をすることが肝心なのだと思います。

ということで、本書を読んで私は基本方針を変更しようと思いました(←何も学んでいない)。

Go For Broke!

真面目な話し、基本方針を変えてポートフォリオを見直そうと思っています。その話しは近々記事にします。

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