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iDeCoは金持ち優遇ではなく、自営業者や零細企業サラリーマンにこそ恩恵がある

iDeCo(確定拠出年金)で良く言われる理屈として、「税制優遇も結局高給取りが有利なんだから、iDeCoは金持ち優遇なんでしょ!?」というものがあります。

これは完全に誤解です。

今日は、そこを整理します。

所得控除は高所得者ほど有利・・・ではある

確かにiDeCoには超強力な税制優遇措置があります。下の表を見て分かるとおり、課税所得(年収)が多ければ多いほど、節税効果が発揮されます。

例えば、年間掛金が27万6,000円の場合、課税所得が195万円以下であれば年間節税額は4万1,400円ですが、課税所得が330万円超695万円以下のいわゆる「高所得者」は年間節税額が8万2,800円にもなります。

 課税所得 税率 年間節税額
所得税
(税率,%)
住民税
(税率,%)

年間掛金※1
14万4,000円

年間掛金※2
27万6,000円

年間掛金※3
81万6,000円

195万円以下 5% 10% 2万1,600円 4万1,400円 12万2,400円
195万円超
330万円以下
10% 2万8,800円 5万5,200円 16万3,200円
330万円超
695万円以下
20% 4万3,200円 8万2,800円 24万4,800円
695万円超
900万円以下
23% 4万7,520円 9万1,080円 26万9,280円
900万円超1,800万円以下 33% 6万1,920円 11万8,680円 35万0,880円
1,800万円超4,000万円以下 40% 7万2,000円 13万8,000円 40万8,000円
4,000万円超 45% 7万9,200円 15万1,800円 44万8,800円

※1 公務員や、勤務先に企業年金がある会社員の加入限度額
※2 勤務先に企業年金も企業型確定拠出年金もない会社員や、専業主婦(主夫)の加入限度額
※3 自営業者の加入限度額

「ほら、やっぱり高所得者優遇制度だ!!」って思いますよね?

でもね、違うんだな。

iDeCoの目的を理解しよう

そもそも、iDeCoって何を目的として制度化されているのでしょうか?

答えは原点にありますね。

確定拠出年金法第1条

そう、iDeCOの法律、すなわち確定拠出年金法の第1条(目的)にその答えが載っています。

(目的)
第一条 この法律は、少子高齢化の進展、高齢期の生活の多様化等の社会経済情勢の変化にかんがみ、個人又は事業主が拠出した資金を個人が自己の責任において運用の指図を行い、高齢期においてその結果に基づいた給付を受けることができるようにするため、確定拠出年金について必要な事項を定め、国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援し、もって公的年金の給付と相まって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。

出典確定拠出年金法(平成十三年六月二十九日法律第八十八号)

引用文の赤太文字の部分に、はっきりと目的が記載されていますね。

当たり前の話しですが、iDeCoは税制優遇を与えることが目的では無いのです。将来減額されているであろう公的年金に自助努力で形成した資産をプラスするための制度なんです。

そのための釣り餌(≒インセンティブ)としての税制優遇です。

補論

この第1条を噛み砕いた文章にすると、「少子高齢化が進んでいるので、皆さんの自己責任において資産を確保して下さいな。もちろん、その努力には相応の支援はしますよ。」と言ったところです。

さらに行間を読むと次のように解釈もできます。

「予想以上に少子高齢化が進んで、公的年金給付だけでは、国民の老後を保証することはもう出来ません。将来年金が減ってギャアギャア言うなよ。政府はちゃんと本法でその手当てはしているんだからよ!!」

とも読み取れます。

年間掛金上限額の差にもヒントがある

実は、最初に示した表で高所得者ほど有利、とわざとミスリードしました。

ここで、その表をもう一度確認しておきましょう。

年間掛金上限額がその人の属性によって、違いますよね?

大手企業や公務員など、退職金が多く支給され、かつ安定的な仕事に就いている人の年間掛金上限額が14万4,000円。それに続いて退職金が少なく、解雇されやすい中小企業のサラリーマンが27万6,000円。そして、そもそも退職金がない自営業者が81万6,000円です。

つまり、確定拠出年金法第1条の所得の確保に係る自主的な努力を支援、というのは身分が不安定で退職金が低い人により厚い支援をしますよ、とも理解できます。

所得控除は強力なオマケに過ぎない

iDeCoと言えば、最初に述べたとおり所得控除ばかりが注目されてしまいます。

しかし、本制度の趣旨は公的年金に資産を上乗せすることにありますので、iDeCoにおける所得控除はオマケに過ぎないのです。

そのオマケが強力過ぎるので、アチラコチラで金持ち優遇と言った誤った批判がなされるのだと思います。

そもそも、年間掛金27万6,000円の場合、課税所得が195万円以下の人と課税所得が330万円超695万円以下の人との間の税制優遇差は4万円/年程度です。それほどの差ではありませんよね?

この4万円だって意識しなければ、気づかないうちに生活費の中に溶け込んでしまいます。

iDeCoは嫌でも資産が形成できる

人は近い将来のことしか見通せません。

20年30年後を見通してコツコツと資産形成出来る人なんて、ほんの一握りしかいません。

ところが、iDeCoは強制的に給料から天引きされ、しかも本人が死亡するなど、余程のことがない限り自分が60歳になるまでは絶対に引き下ろせません。

また、最悪自己破産などに陥ってもiDeCoで積み立てた資産は虎の子であり、差し押さえの対象にもなりません。

そうなんです、所得控除がどうのこうのというよりも、iDeCoは嫌でも資産が形成される仕組みになっているのです。

まとめ

私もそうですが、iDeCoの話しをする場合、

  • 掛け金が全額所得控除
  • 運用益が非課税
  • 受取時に税制控除が適用

と言った税制メリットばかりが取り上げられます。

しかし、iDeCo本来の趣旨に鑑みれば、そのメリットも60歳時に資産を最大化するためのインセンティブに他なりません。

以上から、iDeCoは私のような零細企業に勤めるサラリーマンや自営業者こそが真っ先に入るべき制度なのです。

Go for broke!

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