2018年から始めるつみたてNISA。そして現行NISA。ついでにジュニアNISA。
NISA制度が3つもあります。
これらの制度を完全に理解している投資家は何割いるのでしょうか?さらに、自分にとって最善の制度活用方法を答えられる人は何割いるのでしょうか?
3つのNISA制度は複雑怪奇
ここで改めて3つのNISA制度の違いを整理してみましょう。
と、これを表にまとめたものが下図ですが、これだけでお腹いっぱいですね。
出典:「つみたてNISA」と、従来の「NISA」や「iDeCo」は何が違うのか? つみたてNISAのメリットや注意点、活用術などを2018年1月のスタート直前に徹底解説!ーザイ・オンライン
つみたてNISAは年間40万円×20年間(投資対象商品が限定)、現行NISAは年間120万円×5年間、ジュニアNISAは年間80万円×5年間、それぞれ非課税で投資が出来ます。
ざっくり言えばこうなるのですが、現行NISAとジュニアNISAで買った金融商品については、5年後に
- 売却
- 特定(一般)口座に移す
- ロールオーバー
の3つの選択肢を迫られます。
つまり、最初の段階で、3つのNISA制度のどれを利用するかで悩み、現行NISAとジュニアNISAを利用した暁には、5年後に上記3つの選択肢でめちゃくちゃ悩むわけです。
これらの複雑な選択肢の中から、最適解を導ける人がどれだけいるのかと・・・
特に現行NISAとジュニアNISAについては、損益通算?何それ美味しいの?状態になる人が続出です。
しかも、これに確定拠出年金(iDeCo)が混ざるとワケが分かりません。
iDeCoが先なの?学資資金はジュニアNISA?それともつみたてNISA?等など・・・
ロールオーバーが始まる頃に混乱する
金融庁の「貯蓄から投資へ」という意気込みは理解出来ます。
金融庁職員の頭脳の優秀さも理解出来ます。
だけどね、優秀な頭脳が一日中仕事で取り込んでいることを、私のようなアホな一般人が理解なんか出来ないんですよ。
もちろん、これら3つの制度が財務省とのやり合いの中で生まれた苦肉の策であることは分かります。
それにしたって、あまりにも複雑怪奇です。
しかも、これらの制度を金融機関がシステムとして整備するわけです。
このままで行くと、ロールオーバーが始まる頃には金融機関のシステムがエラーを起こしたり、制度を理解していない投資家がワーワー言い始めて、混乱に陥いると思います。
3つの制度については、個別解としては妥当かもしれませんが、全体解としては最悪ですね。
NISA一本化&恒久非課税が望ましい
やはり、投資の裾野を広げたいということであれば、NISAは、誰でも理解出来るようなシンプルな制度に変更する必要があります。
財務省も取りっぱぐれる税金に目をつぶって、ロールオーバーが始める頃に、3つのNISA制度の非課税枠を恒久化すべきでしょう。そして、その後に3つの制度を一本化し、非課税限度投資額を大幅に引き下げた上でNISA制度を再構築するのがいいでしょう。
それだと既存のNISA制度利用者が得をするだろう!!という声も聞こえるでしょうが、NISA制度の欠陥というリスクを取って投資をしたのだから、そこは政治家レベルで判断して頂きたいですね。財務省的には首を縦には振らないでしょうから。
と、まぁ現実的にはかなり難しい理想論を書き殴ったところで今日はお終いです。
Go For Broke!